ビタミンCが不足すると筋肉が衰える!?
2025.11.06 サルコペニアという言葉は聞いたことがありますか? 高齢化とともに筋肉量が減って筋力が低下することがサルコペニアです。高齢社会のいま、大きな問題として話題に上ることが多い言葉なのですね。このサルコペニアの予防と回復にビタミンCが大きな効果があるという論文が発表されたのでご紹介しましょう。東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人さんの書かれた論文(『食と医療』[講談社]34号)です。
石神さんら研究チームは、東京都板橋区の70〜84歳の女性957名を対象に、身長、体重と運動機能の測定、血液検査によるビタミンC濃度の測定を実施しました。その結果、血漿ビタミンC濃度が高い女性ほど、握力が強く、片足で立っていられる時間も長く、歩くのが速いなど、同世代の女性にくらべて運動機能が高いことがわかったというのです。
ビタミンCと筋力の間に深い関係があるのではと考えた石神さんらは、こんどは、人間と同じように自分ではビタミンCを合成できないマウスを使って、ビタミンCが骨格筋に及ぼす影響を調べました。すると、ビタミンCが不足すると、あちこちの筋肉が萎縮し、筋重量が減少し、そればかりか握力や全身持久力などの身体能力も同時に低下したのです。興味深いことに、マウスにビタミンCを再び与えると減ってしまった筋肉や身体能力が元に戻っていくこともわかりました。
石神さんはこの研究結果から、人間にとってもビタミンCはサルコペニアの予防・回復に効果があるのではないかと、ビタミンCの積極的な摂取を勧めています。ちなみに、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』によれば、1日のビタミンCの推薦摂取量は100ミリグラムです。いちごなら5〜6個、キウイフルーツなら1個分ですね。なお、腎臓機能障害を患っている方はビタミンCの摂りすぎには注意したほうがよい場合もあるので、気になるかたはご相談ください。