「産科医療功労者厚生労働大臣表彰」とは、多年にわたり、地域のお産を支え、我が国の産科医療の推進に貢献してきた産科医等が毎年、各県一名ずつ選出されるものです。
平成26年度、山口県では医療法人岩国病院の庄司孝院長が選ばれ、去る10月22日(水)、山口県地域医療推進室の宮村宏室次長ほか一名が表彰にみえました。
院長が昭和46年4月に医療法人岩国病院産婦人科に入職して以来、地元岩国のお産にたずさわった数は一万人を超えています。その間、岩国市では少子化のあおりを受けて産科をたたむ病院やクリニックも多く、現在市内で残っているのは、医療法人岩国病院と他の2施設のみとなりました。
それでも、お産がゼロになるわけはなく、持病のある妊婦さんや高齢出産、あるいは米軍基地からの患者さんなど、年々多様化している感のあるお産を、今も現役で手がけている院長に、今回の表彰の感想を聞きました。
「古くからの言葉に『一人は万人のため、万人は一人のため』とありますが、その通りです。これまで一万人の出生のお手伝いをできたということは、そこに、妻をはじめ家族の協力、病院職員の協力、そして妊婦さん自身の協力があったということ。まさに『一人は万人のため、万人は一人のため』だとつくづく思います」
岩国市内では、「祖母、母、自分と三代にわたって子どもを庄司先生に取り上げてもらった」という話を聞くのは珍しいことではありません。また先日も、米国在住のご家族が「13年前、娘がここで産まれたので、ルーツを確認しに」と、数日間の日本での滞在中、わざわざ岩国病院を訪問されました。
こうした長年の積み重ねが、今回の表彰につながったことは間違いありません。院長、これからも健康で、地域医療を考え、また後進を指導するなどにも、その経験を最大限に活かしてください。